どうも、あきです。
このブログでは、「CVVCのUTAU音源が作りたい!」「でもどうやって作るんだろう……」そんな思いに答えられるような、CVVC音源に対するハードルを少しでも下げられるような、そんな解説を行っていきます。拙い説明かもしれませんが、録音から音源完成に至るまでをサポートできるよう努めてまいりますので、どうぞ最後までお付き合いください。
なおこのブログは、単独音も連続音もすっ飛ばしてCVVCから作ろうとした僕が、当時欲しかった情報をまとめるような形になる予定です。もう知ってるよ! と思われる情報は適宜飛ばしてもらってOKです。
また、UTAUはすでにダウンロードしている体で話を進めます。ご容赦ください。
※僕が使用しているOSはWindows11です。Mac等その他のOSの場合はよくわかっていないので解説しません。申し訳ない。
※この記事を見てもよくわからない、うまくいかないという場合は他の方の動画やサイトを参考にしてみてください。よろしゅう。
~①の目次~
1.UTAUって何?
2.CVVCとは
3.CVVC音源の作り方
4.音源を録るときに大事なこと
1.UTAUって何?
さて、そもそもUTAUって何? UTAU界隈に足を踏み入れた皆様であれば既にご存じかもしれませんが、再確認させていただきます。
UTAUとは、飴屋/菖蒲様が制作した歌声合成ソフトウェアのことを指します。詳細は公式ホームページをご覧ください
UTAUに読み込む音源は誰でも製作可能! 自分の声を音源にして歌わせることも、配布されていれば自分の好きなUTAU音源に歌わせることもできるわけです。すばらしい。飴屋様に心から感謝しながら音源を作りましょう。
2.CVVCとは
CVVCとは。C(Consonant:子音)とV(Vowel:母音)をCV、VCの形で切り出す比較的新しい録音形式であり、単独音より滑らかに歌わせられ、連続音より収録時間が短くファイルサイズが小さい、表情音源や多音階収録がしやすく、単独音としても使える、そんな長所が光り輝いている音源、それがCVVCです。
ただ原音設定が難しい、シビアという特徴から難易度が高いと思われがち。エンベロープが破綻しやすいところもデメリットとして挙げられています。
音素は「か」「に」といった単独音の形と、「u k」「o s」といったVC音素と呼ばれる形があります。
※VC音素がよくわからんと思われた方のために※
前の音の母音と、次の音の子音を、一つの音素として切り取ったものがVC音素です。これを発声する音素の間に置いて使います。例えば、さかな(sa ka na)→「さ a k か a n な」(「a k」「a n」がVC音素)というような使い方をして歌わせます。VC音素によって前の音と次の音が繋がるために、滑らかに歌わせることができるという具合です。
そうそう、そのCVVCが作りたいんだよ! という方、お任せください。次項で流れを説明します。
3.CVVC音源の作り方
CVVC音源制作の手順は以下の通りです。なお、これはスマホを使わずパソコンで制作する方法で説明しています。
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1.機材等の用意をする
2.録音リストを選ぶ
3.ガイドBGMを選ぶ
4.録音する
5.ノイズ除去をする
6.原音設定をする
7.周波数表ファイルを作成する
8.歌わせてみる
(9.readme等を作成する)
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以上になります。
以下、必要機材、必要ファイルやソフトを上げていきます。
---機材等の用意をする
音源制作するにあたって必要なものがあります。新しく買うか、手持ちのもので間に合わせてもOKです。
・パソコン、キーボード、マウス
スマホでも録音だけならできるらしいですが、原音設定や周波数ファイルの作成をするのに結局パソコンが必要になるので、このブログではパソコンを使っての音源制作方法を説明していきます。
・マイク
マイク単体を用意するも良し、音質は劣りますがイヤホンやヘッドフォンについているマイクを使うも良し。どこまで自音源の音質を追求するかで判断してください。
・イヤホンorヘッドフォン
ガイドBGMという音声を流しながら録音するので、できれば密閉性の高いヘッドフォンを用いる方が録りやすいとは思います。もちろんイヤホンでも大丈夫です。
・水やお茶といった水分を補給できるもの
録音する際、口の中が乾いているとリップノイズという雑音が入ることがあります。適度に水分を取りましょう。
---録音リストを選ぶ
録音する際、呪文とも呼ばれる録音リストを読み上げます。その音声がUTAU音源の元になるわけです。
僕が作成した録音リストは↓(8モーラ形式です)
※モーラという聞きなじみのない言葉があると思いますが、モーラとは音素のことを言います。例えば「あいうえおん」であればモーラは6である、というような表現をします。
この『あき式CVVCリスト』は、『ななかお新式CVVCリスト』を参考に作成したものになります。ヴぁ行があり、先頭用CV(「- あ」「- お」等)は母音のみを想定しています。鼻濁音のガ行がなく、ty、dhのVC音素は作れません。
先頭用CVを作りたい方や、作りたいVC音素がある方もいらっしゃると思います。その場合は有志の方が様々な録音リストを配布されてますので、そちらから選ぶと良いと思われます(但し今回は『あき式CVVCリスト』を使用する体で話します)。
有志の方が作成した録音リストは↓
CVVC - UTAU音源制作wiki - atwiki(アットウィキ)
---ガイドBGMを選ぶ
ガイドBGMとは、録音する際に発声と拍をそろえるために必要なものになってきます。これなしで録音すると原音設定のときに悪夢を見ます。
有志の方が作成したガイドBGMは↓
ガイドBGM - UTAU音源制作wiki - atwiki(アットウィキ)
(今回は『まいこ製連続音ガイドBGM』を使用する体で話します)
※ガイドBGMのタイトルに『C』『F』といった記号が書いてあると思うのですが、これは音階をドレミという日本語ではなくCDEと英語で表記しているだけです。録音する際には一定の音程で録音する必要があり、その音程に合ったガイドBGMを選んで使用することになります。
---録音する
UTAU音源の録音に使うソフトは、ここでは耳ロボP様が制作した『OREMO』というソフトを使います。ダウンロードは↓
https://onedrive.live.com/?id=4E56C6D911E0FAA3%21326&cid=4E56C6D911E0FAA3
※2024.3.9時点での最新ver.はver. 3.0-b190106
---ノイズ除去をする
どんなにノイズを入れたくなくてもノイズとは入ってしまうものです。そのノイズを除去するためのソフトが必要になります。
今回使用するのはこちらの『Audacity』です↓
Audacity ® | Free Audio editor, recorder, music making and more!
※2024.3.9時点での最新ver.は3.4.2
今持ってるソフトでノイズ除去できる! という方、もしくは外注する! という方はダウンロードしなくて大丈夫です。
---原音設定をする
UTAU音源を作る上で、UTAUソフトに音源を読み込ませた時に『このタイミングでこの発声をする』という設定をしなければいけません。それが原音設定。原音設定は外注することもできます。自力でやるか、人に任せるかはお好みで。
自力でやる! という方は耳ロボP様が制作した『setParam』をダウンロードしておいてください↓
https://onedrive.live.com/?id=4E56C6D911E0FAA3%21326&cid=4E56C6D911E0FAA3
※2024.3.9時点での最新ver.はver. 4.0-b200412
※CVVCの原音設定に関する情報が書かれているoto.ini(大抵は配布されている録音リストのフォルダ内に入っています)をお持ちでない方はこちら↓の巽様が制作したプラグインをダウンロードしておいてください
れんたんさん v0.42 (setParam用プラグイン) - BowlRoll
エイリアス複製さん v0.61 (setParam用プラグイン) - BowlRoll
詳細は録音後の記事に書きます。
---周波数表ファイルを作成する
ここではUTAUがあれば問題ないです。後ほど説明します。
---歌わせてみる
CVVC音源をUTAUで歌わせる際、デルタ様が制作した『autoCVVC』を使用すると便利です。ダウンロードしておきましょう↓
【UTAUプラグイン】autoCVVC2.0配布所 - きみがため Lab.
また、今回のために『朧月夜』の出だしをustにしました。試しに歌わせる曲で迷う方は使ってみてください↓
---(readme等を作成する)
この段階は歌わせたいだけであれば必要ない手順です。ですが、自分の音源を配布されている音源くんちゃん達のような完成度まで持っていきたい方には必要になってくる手順となっています。使用するソフトはメモ帳ソフト、アイコンを自作する場合はイラストソフトが必要になります。
以上がCVVC音源制作の流れ、必要機材等の説明になります。
4.音源を録るときに大事なこと
UTAU音源を初めて録る人に伝えたい事 - Togetter
↑このTogetterに、注意しておくべきこと、ためになることがまとめられています。録音する際に非常に助かるお言葉が詰まっているので、一読しておきましょう。
Togetterの内容と被りますが、僕からは一つだけ。録音が初めて、まだ慣れていないという方が録音する場合は必ず出しやすい声で録ることをお伝えしたい。僕にとってはそれだけ抑えてくれていればいいぐらいの重要度です。UTAU音源制作において声帯はめちゃくちゃ大事です。慣れていない段階で無理に高音や低音、歪ませた声や絞った声等で収録すると声帯を痛めます。多音階録音する場合はなおさらです。あなたの声はあなたにしか出せない唯一無二のものなのですから。
では、次から録音に移りたいと思います。よろしゅう。
続き→CVVCのUTAU音源を作ろう!②~録音~ - たんぽぽの備忘録