どうも、あきです。
それではお待たせしました。早速原音設定に移りたいと思います。タイトルに前編とありますが、これはCV音素とVC音素の原音設定の解説をしていたら予想以上に長くなってしまったが故に、分割しているためです。休憩しながら読み進めていってください。
なお、CVVCの原音設定について説明している動画やサイトはすでに存在します。
(筆者が確認している動画、サイトはコチラ↓
CVVC講座配信/説明 - 山本プー@依頼受付中 (@yamamotopuu) - TwitCasting
)
また、原音設定する方法として、配布されているCVVC音源のoto.iniを『setParam』に読み込ませ、その画面を見ながらやるという方法もあります。
この記事でも原音設定の解説はしていきますが、あくまで一例、しかも筆者である僕があれこれ悩んで行きついた我流の方法です。やりにくい、うまくいかない方は、他の動画やサイト、CVVC音源のoto.iniを参考にした方がいいかもしれません。
以上を踏まえたうえで、OK! という方は次項に進んでください。
~④(2)前編の目次~
1.『setParam』の設定
2.『setParam』の画面説明
3.CV音素の原音設定をしよう
4.先頭用CV、母音の連続音の原音設定は?
~④(2)後編の目次~
1.VC音素の原音設定をしよう
2.子音単体の原音設定?
3.その他の音素の原音設定は……
1.『setParam』の設定
まずは『setParam』を使いやすくする設定を行っていこうと思います。『setParam』は起動していますか? oto.iniを読み込んだあとの画面左上を見てください。設定していきます。
---『表示』→スペクトル、パワー、F0を表示
スペクトルは必須。パワーはあった方が良いです。F0は使う人と使わない人がいます、好みです。
---『オプション』→『詳細設定』→〈スペクトルの色〉を『color2』に変更
この設定をするとスペクトルに色がついて見やすくなります。変更しておきましょう。
---『表示』→『横軸の拡大』→『波形拡大率の数値指定』→%の数値を変更
数値は好みです。僕はいつも「850」にしています。
---『オプション』→『マウス、キー操作の設定』→『マウスで先行発声を動かしたとき、』→『他パラメータも一緒に動かして相対的な位置を保つ。』
必須です。これがあると作業がサクサク進みます。
---『オプション』→『マウス、キー操作の設定』→『発声タイミング補正モード』
必須です。クリックするだけで先行発声(『先』と書かれている赤い線)の位置を動かすことができます。
---『オプション』→『発声タイミングチェックの設定』→〈最初に何回クリックを鳴らすか〉の数値を入力
数値は好みです。僕は「1」にしています。
---『ツール』→『パラメータ一覧の並び替え』→並び替えの順を設定する
好みですが、CVVCを初めて設定する方は『仮名順』にすると設定がやりやすいのではないかと思います。僕は『wavファイル名順』にしています。
設定できましたか? それでは次に進みましょう。
2.『setParam』の画面説明
上の画像、画面に五つの縦線があるのがわかると思います。左から、
・『左』←左ブランク
音の始まりを設定します。ここより左の音は鳴りません。
・『オ』←オーバーラップ
ひとつ前の音と重ねる範囲を設定します。前の音と再生する音を重ねることをクロスフェードと言います。
・『先』←先行発声
発声するタイミングを設定します。この位置がリズムに合わせて発声できるかどうかに関わってきます。
・『子』←子音部(固定範囲)
声を音符に合わせて伸ばす際に、伸ばさずに固定する範囲を設定します。固定範囲~右ブランクの範囲が伸ばされることになります。
・『右』←右ブランク
音の終わりを設定します。ここより右の音は鳴りません。
なんとなくしかわかんないんだけど……という方、大丈夫です。この後の解説を見よう見まねでやっていけば感覚でわかってきます。僕も最初はわからないなりに情報を集めながら試行錯誤を繰り返しつつ原音設定していました。誰もがみな初心者からスタートします。今のあなたの不安を解きほぐせるよう努めてまいりますので、どうぞ読み進めていってください。
それでは『setParam』の基本操作、ショートカットキーを確認しておきましょう↓
setParam - UTAU音源制作wiki - atwiki(アットウィキ)
確認しましたか? 準備OK!の方は次項に進んでください。
3.CV音素の原音設定をしよう
まず、子音の種類を確認しておきましょう。
(↑の子音は、『autoCVVC』が認識する子音を参考にしています。)
ひぇぇぇなんかいっぱいある……大丈夫です。すべてを覚える必要はありません。逐一表記しますので、それを見ながら、時にはこの表に戻りながら原音設定を行ってください。
次に、CV音素(「あ」「て」等)の原音設定は五種類に分かれます。といっても、難しく考える必要はありません。要所を掴むことができればサクッっとできる設定ですので、安心してください。
①母音(あ、い、う、え、お、ん)
②k, ky, t, ty, ch, ts, p, py(上の表にはないが、くぁ行もココ)
③g, gy, d, dh
④s, sh, hy, f, z, j
⑤上記以外(n, ny, h, m, my, y, r, ry, w, b, by)(むぁ行、ヴぁ行、鼻濁音のガ行もココ)
人によって発音の仕方が違うので、この分け方が絶対というわけではありません。以下にそれぞれのスペクトルと設定の仕方を挙げていきますので、見比べて判断してください。
なお、画像のスペクトラムは、筆者が今回作成した「試作機11号」のoto.iniを『setParam』に読み込ませた画面のものです。「試作機11号」の原音設定を見ながらやりたい方はこちら↓からダウンロードできるので、よければ参考にしてください。
※『F8』を押すと左ブランクから右ブランクの範囲の音声が聞けます。しっかり耳で聞きながら各パラメータを設定していきましょう。
①母音
- 左ブランク:音の始まりから見て音が安定したところ
- オーバーラップ:左ブランクと同じ(0でok)
- 先行発声:左ブランクと同じ(0でok)
- 子音部:触らない(80~100の辺りが良さげ)
- 右ブランク:音の終わりから見て音が安定したところ
②k, ky, t, ty, ch, ts, p, py
- 左ブランク:無音部分に置く
- オーバーラップ:左ブランクと同じ(0でok)
- 先行発声:子音と母音の間
- 子音部:母音が安定したところ
- 右ブランク:音の終わりから見て音が安定したところ
③g, gy, d, dh
- 左ブランク:無音部分、または前の音の母音の終わり
- オーバーラップ:左ブランク~先行発声の1/2
- 先行発声:子音と母音の間
- 子音部:母音が安定したところ
- 右ブランク:音の終わりから見て音が安定したところ
④s, sh, hy, f, z, j
- 左ブランク:前の音の母音が終わったところ
- オーバーラップ:左ブランク~先行発声の2/3
- 先行発声:子音と母音の間
- 子音部:母音が安定したところ
- 右ブランク:音の終わりから見て音が安定したところ
⑤上記以外(n, ny, h, m, my, y, r, ry, w, b, by)
- 左ブランク:前の音の母音が終わったところ
- オーバーラップ:左ブランク~先行発声の1/2
- 先行発声:子音と母音の間
- 子音部:母音が安定したところ
- 右ブランク:音の終わりから見て音が安定したところ
CV音素の原音設定は以上になります。
4.先頭用CV、母音の連続音の原音設定は?
先頭用CV(「- あ」「- て」等)の原音設定は単独音の原音設定と同じです。また、母音の連続音(「a あ」「u え」等)の原音設定は連続音の原音設定と同じです。
参考になるサイトはコチラ↓
CVVCならではの設定法があるわけではないので、解説は割愛させていただきます。
お疲れさまでした。次の後編でVC音素の原音設定を行っていきます。よろしゅう。
続き→CVVCのUTAU音源を作ろう!④~原音設定(2)後編~ - たんぽぽの備忘録